デジカメ使い勝手10

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デジタルカメラ特有のモアレ縞についてのお話
(1)前に書きましたがCCD(撮像素子)にはカラーを認識する事は出来ません。そのために素子の前にカラーフィルターが付いています、これを原色フィルター(R)レッド(G)グリーン(B)ブルーと補色フィルター(C)シアン(M)マゼンタン(Y)イエローから色を作っています。このフィルターが素子の前に格子状について色の違いによる光の強弱を撮像素子が受けて1と0のデジタル信号に変換しているのです。
(注)三原色補色についての詳しいことは「さっちゃん」のJTrimで遊んじゃォ!のここを参考にしてください。
(2)左の図で分るように(R)の補色は(C)シアン(G)の補色は(M)マゼンタン(B)の補色は(Y)イエローとなります。
R(赤)=-C(シアン)
G(緑)=-M(マゼンタン)
B(青)=-Y(イエロー)
そこで図から分る通り白(色がない状態を"0"としますと。
R+C=0 G+M=0 B+Y=0 R+G+B=0 と言う事になります。
(3)前に戻って格子状のカラーフィルターを撮像素子の前に貼り付けて色を感知するわけですが画素全部には光が当たらない部分が出てきます。例えば画像のエッジ部分では緑の画素には光が当たっているが赤の部分には当たっていない、と言うところが出てきます。特に細かい部分になると多くなります。
それをソフトウェアで補完しあって色を作っています。これをちょっと難しい言葉でベイヤー配列の撮像素子(CCD)と言っています。
その状態で撮影した画像には実際には存在しない色が出てきます。これを「偽色」といいます。
また格子状のもの例えば網状のものを2枚重ねると縞模様が見えます。これを「モアレ」といいます。こういうものを出さないためには撮像素子の前で光を「ぼやかし」てしまおうとするのがローパスフィターです。
ここに出てきたローパスフィルターは通信機器で使うローパスフィルターとは違います。
(4)カラーフィルターは格子状に配列されているためモアレ縞が出るのがデジカメの宿命とも言えます。これを出来るだけ抑えようとつけたのがローパスフィルターです。
このローパスフィルターの素材は各社によって違います。ローパスフィルターはこの偽色(モアレ)を抑えるために画像をすこしボケさせて画像を滲ませて偽色(モアレ)を減らしています。
が、必然と画像の解像感は落ちます。そのためデジタルカメラではソフトウェア的に調整して輪郭を強調させ滲んだ部分を見た目では分らないようにいろいろと調整しています。それには 各社独自の方法で行なっているため写真の仕上がりが違うのが現状です。(実際にはそのほレンズやカメラ内の画像処理の違いもある)
左の写真はモアレ縞の見本写真です。この写真は画像フリーソフトJTrimのツールを使ってモアレ縞を強調させてみました。
このビルのように窓が網目状のものはモアレ縞が出やすいものの一つです。また商品で例えば洋服地などの一部分をルーペで拡大してみると生地の表面は格子状の凸凹の状態が見えると思います。
当然凸の部分と凹みの部分の光のあたり具合が違いますそれを位相差といいます。カメラのオートフォーカスはこの位相差を利用してピント合わせをしているので 位相差がハッキリしないような物は苦手です。当然そのような物は(偽色)モアレが発生しやすいといえます。





色の三原色RGBに付いてちょっと!
皆さん考えた事ありませんか、三原色って何から出来ているのって!多くの人に三原色はなに色と聞くと(赤)(黄)(青)という人が多い、これは信号機の色ですね。
でも最近の小学校では赤/黄/緑と教わるそうです。
正式の色の世界での三原色は赤(R)/緑(G)/青(B)ですね。これうを原色といいます。またこれには二通り
あって一つは「加色法」の三原色(R)+(G)+(B)。もう一つは「減色法」三原色シアン(C)+マゼンタン(M)+黄色(Y)です。
加色法と減色法
加色法の三原色赤/緑/青はカラーTV液晶ディスプレイのモニターに使われています。
左の図のようにモニターをルーペで拡大してみると、規則的に並んだR/G/Bの粒々が見えます。つまり加色法の3原色の光の強さを
さまざまに変えて組み合わせる事であらゆる色を作り出しているのです。
野球場や町の中の巨大スクリーンも同じ原理です。
減色法の三原色シアン(C)マゼンタ(M)イエロー(Y)ですが、こちらは印刷物に応用されています。
印刷物をルーペで拡大して見ると写真のように粒々の網点が見えます。つまり減色法三原色のインクをいろいろ混ぜてインクの濃さなどを変えて印刷します。
このインクを0〜100%の範囲で掛け合わせると、あらゆる色が出来る事になります。
では黒色は減色のC/M/Yを+したら黒になるはずですが、実際には黒でなく黒に近い灰色になります。黒を黒と表現するには、更に黒色を{墨(すみ)とも言います}加えた計4色のインクを使います。
それでは写真はどうかと言うと、これら加色法と減色法の両方の三原色が使われています。ちょっと難しい話になってしまいましたが、色についてはまだまだあります。
すこし話を変えて人間の目に付いて参考に書いてみます。
人間の目の三原色
左の図は人間の目の断面図です。
1.角膜 2.水晶体 3.ガラス体 4.網膜 5.錐体 6.幹体
角膜と水晶体がカメラで言うレンズの役割をし、網膜が撮像素子(フィルム)の役割をしています。この網膜には光を感じる視細胞があります、そして視細胞には二つの種類があります。
一つは暗い弱い光に感じる幹体細胞、これは暗闇のような環境で機能するもので、を感じません。
もう一つは通常の視覚で機能している錐体細胞があります。ある程度の明るさのある光でしか機能しませんがを感じることが出来ます。
そしてこの錐体が赤(R)/緑(G)/青(B)の三原色を感じるのです。三種類の錐体細胞が、それぞれどの程度の光を感じているか?によってさまざまな色彩を脳の中に描いているわけです。
つまり赤(R)緑(G)青(B)の三原色を使えば人が認識するほとんどの色彩を再現できる事になります。これがパソコン/デジタルカメラ/銀塩カメラの原理になっていると言えるのではないでしょうか。



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